OpenRouterは、OpenAI, Google, AnthropicなどのLLMを単一のAPIエンドポイントで利用できる便利なサービスです。モデルごとのAPIキー管理から解放され、開発効率が飛躍的に向上します。
しかし、その料金体系、特に 手数料(Transaction Fee) については、意外と見落としがちなポイントがあります。本記事では、2025年11月時点の情報を元に、OpenRouterの手数料体系を調査し、コストを正確に把握するためのポイントをまとめました。
結論から言うと、OpenRouterの主な手数料はクレジット購入時に一度だけ発生します。APIを呼び出すたびに手数料が上乗せされるわけではありません。
Point: モデル利用料そのものにOpenRouterが上乗せ(マークアップ)することはありません。あくまでプロバイダーが提示する公式価格がそのまま適用されます。
まず基本として、OpenRouterはサブスクリプション(月額定額制)ではなく、前払いクレジット+従量課金制です。
手数料が課金されるタイミングと内容は主に以下の3つのケースです。
これが最も主要な手数料です。クレジットをアカウントにチャージする際に、決済手数料がかかります。
| 支払い方法 | 手数料 |
|---|---|
| クレジットカード/PayPal等 | 5.5% (ただし、最低手数料として $0.80) |
| 暗号通貨(USDC等) | 5% |
少額を頻繁にチャージするよりも、ある程度まとめてチャージする方が、最低手数料の影響を受けにくく割安になります。
自分自身のプロバイダーAPIキー(例: OpenAIのAPIキー)をOpenRouterに登録して利用する「BYOK」モードの場合、追加の手数料が発生することがあります。
この手数料も、OpenRouterのクレジット残高から引かれます。通常のOpenRouterのAPIキーを利用する場合は、この手数料は関係ありません。
OpenRouterには free タグが付いた無料モデルも存在します。これらは基本的に無料で利用できますが、1日あたりのリクエスト数制限などが設けられているため、本番環境での利用には注意が必要です。
実際にどれくらいのコストがかかるのか、シナリオで考えてみましょう。
シナリオ: ある有料モデル(入力: $0.50/Mトークン, 出力: $2.50/Mトークン)を使い、合計 100,000 入力トークンと 50,000 出力トークンを処理した場合。
この $0.175 が、あなたのクレジット残高から差し引かれます。
もしあなたがこの利用のために $10 のクレジットをクレジットカードで購入していた場合、支払い総額は以下のようになります。
この $10.80 の支払いで、アカウントには $10.00 分のクレジットがチャージされます。API呼び出しの都度、この手数料が追加でかかるわけではない点が重要です。
OpenRouterの手数料はシンプルですが、正確な予算策定のためには以下の点を意識しましょう。
OpenRouterは、利便性を考えるとコストパフォーマンスの良いサービスです。手数料の仕組みを正しく理解し、賢く活用していきましょう。
以上、OpenRouterの手数料について調べてみた、現場からお送りしました。