『起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』大西康之(著) を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。
以下、印象に残った箇所の引用とメモです。
「江副さんには『こうしたい』という意見がある。でも、それを自分が言えば、命令と服従の関係になってしまう。だからしつこく『君はどうしたいの?』と聞くんです。はじめのうち社員はトンチンカンなこと言っていますが、江副さんは『それで?』『でも、こういうこともあるよね?』と誘導していく。すると、そのうち社員は、江副さんが考えていた正解や、それより素晴らしいアイデアにたどり着く」
? 命令と服従の関係にならないような傾聴力。
社長の前で意見を開陳してしまった社員は、もう引っ込みがつかない。こうして江副は不平不満ばかりの「評論家」だった社員を「当事者」に変えてしまうのだ。
? 評論家を当事者へ。
〈同社には内発的動機とPSM(プロソーシャル・モチベーション=他者視点のモチベーション)を代表する企業文化があるのだ。一つは、いわゆる「あなたはどうしたい?」文化である。リクルートでは社員が新しい取り組み・チャレンジをするに当たり、その根本である「結局自分は何をしたいのか」を徹底的に突き詰める文化がある。まさに内発的動機の啓蒙である〉(『世界標準の経営理論』ダイヤモンド社)
? あなたはどうしたい?文化
外発的動機が、報酬や昇進などによる動機付けであるのに対し、内発的動機とは、純粋に「楽しみたい」「やりたい」といった、内面から湧き上がるモチベーションだ。PSMとは、他人の視点に立ち、他者に貢献することをモチベーションにすることをいい、たとえば「顧客視点に立つ」あるいは「部下の視点に立つ」ことなどを指す。入山は、人材輩出企業の条件として、内発的動機とPSMの相乗効果を挙げている。
? 内発的動機 × PSM
採用シーズンになると冨永は東大赤門前の寿司屋の2階を3ヵ月貸切にした。脈のありそうな工学部の学生をつかまえると、座敷に連れて行く。そこにはリクルートが誇るトップ営業マンが待ち構えている。
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ハーバードやMITのキャンパスで東洋人を見つけたら、「こんにちは~」と日本語で声をかける。中国人や韓国人は反応しないが、異国のキャンパスで日本語を聞いた日本人は必ず「えっ?」と反応する。すかさず「どちらの会社からですか」と話しかけ、飲ませて食わせて距離を縮める。
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日本企業の多くはいまだ「レッド」か「アンバー」に属するが、江副の「社員皆経営者主義」は50年前から「ティール」だった。
? リクルート社はティール組織の先駆け
以上、8兆円企業をつくりたい、現場からお送りしました。