読書メモ『NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?』ダニエル・カーネマン(著)

『NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?』ダニエル・カーネマン(著) の上下巻を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。

『NOISE 組織はなぜ判断を誤るのか?』ダニエル・カーネマン(著)

背景 著名な起業家の推薦書

山田進太郎さんが御自身のブログで、柴田陽さんがポッドキャスト START/FM で紹介されていたのをきっかけに、この本を読みました。

以下、印象に残った箇所の引用とメモです。

量刑のノイズについて話そう

量刑のノイズについて話そう 「調査によると、同じ犯罪に対して刑の厳しさに大幅なちがいがあるらしい。これは不公平だ。どの判事が担当するかで量刑がちがうのは、どう考えてもおかしい」 「刑罰の重さが裁判官の機嫌だとか、その日が暑いとか寒いといったことに左右されるべきではない」 「量刑ガイドラインはこの問題に対処する方法の一つだ。だがガイドラインを嫌う人も多い。適切な判断を下すにはある程度の裁量の余地が必要なのに、それを狭めてしまうからだという。たしかに、どのケースもそれぞれにちがうとは言えるかもしれない」

保険会社のノイズについて話そう

保険会社のノイズについて話そう 「保険会社では、プロフェッショナルが下す判断の質が非常に重要だ。私たちは、誰が担当しても判断はほぼ同じだと考えていたが、この前提はまちがっていたようだ」 「システムノイズは予想より五倍も多かった。つまり、容認できる水準の五倍もあった。ノイズ検査を行わなかったら気づかないままだっただろう。ノイズ検査のおかげで、一致の錯覚は打ち砕かれた」 「システムノイズは由々しき問題だ。損失は数億ドルに上るだろう」 「判断のあるところノイズあり。それも、思った以上に多く」

一回限りの判断について話そう

一回限りの判断について話そう 「これはたしかにめったにない出来事ではあるが、いまのアプローチだとノイズが多くなりそうだ」 「一回限りの判断も、繰り返し行う判断がたまたま一回だけだったケースにすぎない。このことを忘れないように」 「あなたが判断のよりどころにしている過去の経験は、今回の判断と関係があるのだろうか」

誤差方程式について話そう

誤差方程式について話そう 「バイアスを減らしても、それと同じだけノイズを減らしても、正確性におよぼす効果は同じらしい」 「予測的判断のノイズを減らすのはとても効果的だ。このとき、バイアスが多いか少ないかは関係ない」 「真の値を上回る予測と下回る予測の比は八四:一六だったから、バイアスはかなり多い。それでも正規分布であれば、バイアスと同じだけノイズが存在することになる」 「どんな意思決定にも予測的判断が関わってくる。予測的判断においては、正確性が唯一の目標であるべきだ。だからあなた個人の価値観は、事実から切り離しておくように」

ノイズ分析について話そう

ノイズ分析について話そう 「裁判官によって厳しさのレベルにちがいがあるときは、レベルノイズが存在する。ある特定の被告を厳罰に処すか寛大な措置にするかで裁判官の意見が一致しないときには、パターンノイズが存在する。パターンノイズの一部は機会ノイズだ。つまり、同じ裁判官が別の機会には別の判断を下す」 「完璧な世界では、被告は正義の裁きを受けられる。だが現実には、ノイズの多いシステムに翻弄されるのだ」

機会ノイズの原因

📝 あなたはいつも同じ人間ではない。

このほかにも多くの偶発的な要素が機会ノイズを引き起こす。本来ならプロフェッショナルの判断に影響をおよぼすべきでない外的な要因の元凶になりうるのが、ストレスと疲労である。

📝 NOISE: ストレスと疲労

「あなたのモデル」はあなたに勝つ

候補者 ある項目がとびぬけて優れているから、ほかはひどく見劣りしても目をつぶろう、 というケースで高評価が的中するのはまぐれ当たり。 人事評価 誰彼を特別な「スーパースター」と評価するのは、だいたいまちがっている

レベル合わせについて話そう

📝 採点より順位をつける。

尺度について話そう

📝 最初のケースが基準点になりがち。 順位の判断。

以上、あらゆる判断から NOISE を減らしていきたい、現場からお送りしました。