読書メモ『起業の失敗大全――スタートアップの成否を決める6つのパターン』トム・アイゼンマン(著)

『起業の失敗大全――スタートアップの成否を決める6つのパターン』トム・アイゼンマン(著) を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。

『起業の失敗大全――スタートアップの成否を決める6つのパターン』トム・アイゼンマン(著)

背景 起業の失敗パターンを把握したい

起業の失敗パターンに陥らないために、この本を読みました。

以下、印象に残った箇所の引用とメモです。

Chapter 1 ビジネスが先か、経験が先か

リソースに関する要素

起業家の中には「できるときに、できる限り多くの資金を調達する」という人もいます。たしかに、大量の資金を手に入れることは、スタートアップが攻撃的なライバルに立ち向かわなければならない場合には、武器となります。しかし、大規模な資金調達は、浪費につながることもあります。

📝 大量の資金調達を武器に、浪費に繋がらないように気を付けたい。

マーク・アンドリーセンは、多額の資金を調達したスタートアップは、「自己満足、怠惰、傲慢の文化に染まってしまう」と指摘しています。
その結果、
1)過剰な雇用とそれに伴うマネジャーの多さによる意思決定の遅れ、
2)社員が「緊急性はないのではないか。キャッシュはいくらでもある」と考える結果、スケジュール管理が甘くなる、
といった機能不全に陥ってしまいます。

📝 自己満足、怠惰、傲慢の文化にならないように気を付けたい。

Chapter 5 レイターステージの6Sフレームワーク

6Sフレームワーク

6Sフレームワーク規模化しているスタートアップの成功の可能性と失敗の原因を見極めるために、「6S」というフレームワークを用います。これは、三角形の中に3つの要素が描かれたもので、いずれもベンチャー企業の組織に関連するものです。すなわち、スタッフ(Staff)、組織図や管理システムを含む構造(Structure)、そして企業文化に反映される共有価値観(Shared Value)です。三角形を囲む円の中には、外部的な3つの要素があります。スピード(Speed)とスコープ(Scope)は、スタートアップのプロダクトと市場に関する戦略を示し、それに伴って顧客や競合、サプライヤーとの関係などが決まってきます。最後の要素であるシリーズ X(Series X)は、ベンチャー企業の資金調達戦略、現在および将来の投資家との関係を表しています。

📝 6Sフレームワーク

スタートアップの社員は形式的な管理体制を好まないと思われがちですが、必ずしもそうではありません。シリコンバレーのベテラン経営者であり、多くのテクノロジー業界の CEOのコーチを務めたビル・キャンベルは、こう述べています。「テクノロジー系の起業家は、エンジニアは管理されることを嫌がると考えがちですが、それは間違いです。私はある起業家に、エンジニアたちに、マネジャーが欲しいかどうかを聞いてみてもらいました。驚いたことに、彼らはみんな、『はい、私たちは、私たちが学ぶことができ、対立を処理できる人が欲しいと思っています』と答えたのです」

📝 学ぶこと、対立を処理できるマネージャーがほしい。

Chapter 6 スピードトラップ

可能か?(Able?)

急激に拡大する需要に対応できるだけの有能な従業員を雇用できない場合、どうすればよいのでしょうか。もちろん、成長にブレーキをかけるという選択肢は常にありますが、上記のような理由で検討されることはほとんどありません。
その代わりに経営者は、
1)「ぬるい人 ※」で組織の各階層を埋めてしまう、
2)既存の従業員に、速く仕事をするよう圧力をかける、
3)トレーニングを怠り、新入社員をそのまま戦場に送り込む、
といった方法を選択します。

※ ここでは、厳しいマネジメントを行わない人、くらいの意味。

📝 急激な成長に対応できる有能な社員を採用できない場合のアンチパターン。

以上、起業成功させたい、現場からお送りしました。