読書メモ『Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる』ベン・ホロウィッツ(著)
『Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる』ベン・ホロウィッツ(著) を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。
約2年前に読了していたのですが、社内でマネージャー向けの推薦図書として扱うことになったので、今更になりましたが読書メモを公開することにしました。
以下、印象に残った箇所の引用とメモです。
次の質問の中で、表向きの企業目標やミッションといったもので解決できるものは、いくつあるだろう?
? トップがいないところでする判断こそが企業文化。
答えられる質問は、ゼロだ。 こうした質問に、「正しい答え」はないからだ。「正しい答え」は会社によって違う。その会社の今の姿、その行動、これからなりたい姿によって答えは変わってくる。つまるところ、社員がこれらの質問にどう答えるかが、その企業の文化なのだ。トップがいないところで人々がどんな判断をするかこそが、企業文化というものだ。社員が日々の問題解決に使う一連の前提が、企業文化だ。誰も見ていないときにどう行動するかが、企業文化なのだ。注意深く意識して組織文化をつくっていかなければ、その文化の3分の2はたまたまでき上がったもので、残りの3分の1は単なる失敗に終わる。
ヘイスティングスは何を最優先したいかを社内に示すため、厳しい決断を下した。毎週の経営会議から、DVD事業の幹部をひとり残らず追い出したのだ。「あれは、この会社を築く上で一番辛い瞬間のひとつだった」ヘイスティングスはのちにそう語っている。「彼らのことが大好きだったし、彼らと共にここまで成長してきたし、今大切なことのすべてを彼らが担当してる。だけど、動画配信の議論にはまったく貢献していなかったんだ」 ヘイスティングスは以前から、動画配信専業の会社がネットフリックスに追いつくのではないかと警戒していた。配信専業の会社では、会議にDVD事業の幹部はいない。だとしたら、ネットフリックスもそうすべきだ。
? 何を最優先か示すために、貢献していないものを洗い出し、厳しい決断を下す。
売上のすべてをもたらしてくれている忠実なチームを重要会議から締め出せなんて、どんな経営書にも書いていないはずだ。だが、ヘイスティングスは文化を正しい方向に向けることが、そのほかの何より優先されるべきだと理解していた。コンテンツと物流に価値を置く文化から、コンテンツとテクノロジーに価値を置く文化への移行が必要だったのだ。文化を変えると、労働時間から報酬体系まで、すべてに影響が出る。だが変えなければ、ブロックバスターのようになってしまう。なお、ブロックバスターは2010年に倒産している。
? 文化を正しい方向へ向けることが最優先。
覚えておいてほしいことがひとつある。倫理とは厳しい選択だということだ。投資家に優しいウソをつくか、それとも社員の3分の1をクビにするか? ライバルからバカにされるか、それともユーザーを欺くか? 昇給をやめるか、それとも少しだけ不公平を許すか? こうした問いに答えるのは、至難のわざに思えるかもしれない。だが、戦争の最中に奴隷兵士たちに倫理観を植えつける仕事に比べれば、はるかに易しいはずだ。
? 倫理とは厳しい選択。
だから「いい人」を採用し、「悪い人」を落としても、誠実な企業文化を築けるとは限らない。入社したときは誠実でも、その環境で成功するには誠実でいられないかもしれない。サン=ドマングの奴隷文化に染まったアフリカ人が、その後ルーベルチュールのもとで優れた兵士になったように、人は馴染みの文化そのものになり、生き残りと成功に必要な行動を取るようになる。
? 企業文化の重要性。
あなたが下す決定は、ほかのどんなものよりあなたの企業文化に影響する。また同時に、その意思決定のプロセスも文化の核になる。リーダーの意思決定には3つのスタイルがある。1 敵か味方か? このタイプのリーダーは「お前の意見はどうでもいい。俺は俺の道をいく。俺のやり方が気に入らなかったら出ていけ」と言う。一番手っ取り早いのはこのやり方だ。話し合いも何もなく決められる。
2 全員参加。 このタイプのリーダーは民主的なプロセスを好む。正式な投票ですべてを決めていいなら、そうしたがるだろう。意思決定に長い時間がかかるものの、全員が参加できることが保証されている。
3 みんなの意見を聞いて私が決める。 このタイプのリーダーは、正しい情報を集めてすべての知恵を使いながら、プロセスの効率化を図ろうとする。全員参加スタイルほど民主的ではないし、敵か味方かスタイルほど効率的でもない。
ビジネスでは3つ目のスタイルがたいてい一番うまくいく。
? みんなの意見を聞いて自分が決めるスタイルが、たいてい一番うまくいく。
CEOは意思決定の効率とその聡明さによって評価されるので、みんなの意見を聞いて私が決めるスタイルならスピードと情報量のバランスが取れた意思決定が実現されやすい。これは、社内の全員が十分な情報を持っているわけではないという前提に立って、上に立つ人間が知識を蓄えてどの道を行くかを決めるというスタイルだ。
? 上に立つ人間が知識を蓄えて道を決める。
以上、トップとしてのスタイルを拘っていきたい、現場からお送りしました。