読書メモ『ALLIANCE アライアンス』

『ALLIANCE アライアンス』 リード・ホフマン (著), ベン・カスノーカ (著), クリス・イェ (著), 篠田 真貴子 (翻訳), 倉田 幸信 (翻訳) を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。

『ALLIANCE アライアンス』リード・ホフマン(著)

背景 リード・ホフマンの著書

リード・ホフマンの著書ということで、この本を読みました。

以下、印象に残った箇所の引用とメモです。

1 ネットワーク時代の新しい雇用職場に信頼と忠誠を取り戻す「アライアンス」とは

「家族」から「チーム」へ

これと対照的に、プロスポーツのチームには具体的な使命(試合に勝ち優勝すること)があり、 その使命達成のためにメンバーは一丸となる。チームの顔ぶれは時とともに入れ替わるが、それ はメンバーが他のチームに移ると決めたから、もしくは、チームの経営陣がメンバーを切ったりトレードしたりすると決めたからだ。この点で、ビジネスは家族というよりもはるかにスポーツチームに似ている。

📝ビジネスはプロスポーツチームに似ている。

2 コミットメント期間を設定しようアライアンスは仕事の内容と期間を定める

長期のパートナーシップ

コミットメント期間は、社員一人ひとりが自分にとって有意義な任務にいくつも取り組むことができる枠組みとなり、結果として一つの会社で長期的なキャリアを形成しやすくなる。コミッ トメント期間は数年で終わるが、成功裏に終わったコミットメント期間の終着点は、その会社での次なるコミットメント期間の出発点になることもあるからだ。

📝コミットメント期間を活用して、長期的なキャリア形成できる環境を提供する。

一つのコミットメント期間が終了するたびに相互信頼の絆が強まる。そしてコミットメント期 間が終わりそうな時期を会社が把握していれば、その社員と早めに話し合いを始め、この会社での次のコミットメント期間を一緒に設計する作業に着手できる。その社員がよそにコミットメン ト期間を探し始める前に先手を打てるわけだ。

📝コミットメント期間のサイクルを活用して、離職に先手を打てる。

3 コミットメント期間で大切なもの 〜 社員と会社の目標および価値観をそろえる

今は、企業の目標が社員にとって唯一絶対の目標になるなど、期待できない時代だ。基盤型コミットメント期間にいる社員(非常に少数)でもない限り、社外での可能性を求め広げたいと思うだろう。起業家精神旺盛な社員なら、会社と切り離した「個人ブランド」を築き上げたいと考える。終身雇用の終わった現在、こうした反応は、合理的だし必要なことでもある。

📝企業の目標が、社員にとっての目標になることを期待できない時代。

目指すべきは、会社と個人の目標をあらゆる面で完璧に一致させることではない。ある期間、 定の条件のもとでのみ、自然な形で両者をそろえる「整合性」を目指そう。
整合性を目指すには、「企業の目標と価値観」と「社員のキャリア目標と価値観」との間にあ る共通点を、マネジャーが意識的に探して明示しなければならない。

📝目指すべきは整合性。

必要なのは、社員のコミットメント期間における目標と一致するよう整合性を構築することだ。 なにも社員の「人生の目標や価値観」とまでも一致させる必要はない。前にも述べたが、会社は 家族ではない。社員の価値観と将来展望は尊重すべきだが、無条件に支援する義務はないのだ。

📝必要なのはコミットメント期間における整合性。

COLUMN 部下との対話 -マネジャーへの助言

心を開いて信頼を得る

被験者に心の奥底にある感情 と信念を打ち明けてもらうと、通常なら数週間から数カ月、時に数年もかけて形成されるような 信頼感と親しみが、わずか一時間で生まれることもあると判明した。「今までで最高の同僚はどんな人でしたか?」 とか 「どんな瞬間に自分のキャリアを最も誇らしく思いますか?」といった 率直な質問をすれば、心理的な距離感を縮めることができる。

📝最高の同僚?、自分のキャリアを最も誇らしく思う時?

4 変革型コミットメント期間を導入するうまく活用する四つのステップ

4.想定外の事態に対処する:コミットメント期間の途中での変化

社員が社内で別の部署や役職を望んだら?

社内の横異動の場合は会社を離れるわけではないが、それでも転職と同じように会社と社員が 協力してコミットメント期間を完了させる必要がある。コミットメント目標が予定どおり進むようにしながら、滞りなく異動できるなら、会社はそれを阻止してはいけない。

📝上司と部下のお互いの期待値調整を満たした上で社内異動

6 ネットワーク情報収集力を育てるには社員の人脈を伸ばすコツと戦術

3.個人のネットワーク構築を支援するプログラムと方策を全社展開する

社員のために「ネットワーキング予算」を設ける

自分の人脈にいる面白い人物とお茶を飲んだり食事をするためにおカネを とっておくのだ。これの企業版が、社員のための「ネットワーキング予算」である。大半の企業 はビジネスランチを経費として認めるが、ネットワーキングランチを経費で落とせる企業はほとんどない。それでも経営幹部クラスはほぼ例外なくこうしたネットワークづくりのためのランチをしており、会社は結果的にその恩恵を受けている。会社は社員が同じことをするのを認めるだけでなく、積極的にそうするよう「求める」べきなのだ。そしてそこで学んだことを後で報告してもらう。

📝ネットワーキングランチと報告を積極的に取り組んでもらうのは良いアイデアかも。

7 会社は「卒業生」ネットワークをつくろう生涯続く個人と会社のアライアンス関係

三段階の投資レベル

レベル2: サポートする

このレベルでは、会社が「卒業生」グループの主催者と直接連絡を取り、「何か手伝えることがありますか?」と尋ねる程度のサポートをする。会社の制度にはしないし、サポートも、したりしなかったり、でよい。

📝卒業生ネットワークをミニマムで運営するなら、この方法がよさそう。

その好例はアクセンチュアだ。同社のリンクトイン上の「卒業生」 グループには、三万一〇〇〇人を超える参加者がおり、彼らは、参加時点で同社から最新情報や就職情報を受け取ることに合意している。 より重要なのは、互いに連絡を取り合うことにも合意している点だ。

📝事例 アクセンチュア

8 「卒業生」ネットワークを活かすには 〜 効果的に導入するためのコツとテクニック

1.「卒業生」ネットワークの参加者を決める

このような課題を長期にわたり確実に解消する方法は、「選ばれた」 元社員だけの「卒業生」 グループを設立することだ。そうすれば、参加メンバーとそこから得られるメリットに関して、会社側がより細かくコントロールできる。

📝選ばれた元社員だけのグループ

以上、アライアンスを上手く活用していきたい、現場からお送りしました。