『クリエイティブ人事~個人を伸ばす、チームを活かす~』曽山哲人 を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。
サイバーエージェント社の人事責任者の方から学びを得るために、この本を読みました。
以下、印象に残った箇所の引用とメモです。
先ほど金井先生は、人事にはサーバントリーダーシップがふさわしいと言われました。私もその御意見に賛成ですが、究極的には「人事の存在を消したい」というふうにも考えています。社員に人事や人事制度のおかげで成長したと思われなくていいし、むしろ、自分で主体的に動いた結果、才能が開花したと思ってもらいたいのです。
? 人事の存在を消したい。
人事のオペレーションとはこういうものかとも思いました。つまり、制度は細かくつくり込んではダメなのです。もちろん、しっかりとした軸は必要ですが、制度自体はなるべく軽めにつくり、現場が運用しやすいようにした方がいいのです。
? 制度自体は軽めに、現場が運用しやすいように。
以来、「しらけの排除」は私たちが人事制度を企画する際のキーワードとなっています。すべての人事制度は流行らなければ意味がないという考え方に立ち、新たに制度を企画する際には、社員の反応を事前によく考え、社員がしらけてしまわないかどうかをイメージしています。
? しらけのイメトレ
続いて「育成」に話を移しましょう。私たちが人材育成で重視しているのは、社員に「決断経験」を積んでもらうこと、そのために抜擢人事を断行したり、大きな仕事を任せたりすることです。
? 決断経験を積んでもらうための機会提供。
「リーダーを育てるためにはリーダーをやらせるしかなく、経験者を育てるためには経営をやらせるしかない」
私たちは、マネージャーの役割は「組織の成果を出すこと」だと定義しています。部下を育てたり、チームをまとめたり、メンバーが働きやすい環境を整えたりすることはいずれも手段であり、それらを通じて、マネージャーは組織の成果を出さなくてはなりません。
? マネージャーの役割は組織の成果を出すこと。
ぶら下がりやただ乗りの社員がいると、他のメンバーのやる気がそがれ、組織の活性度が低下するため、対応策を講じておこうという判断に至ったのです。 そのような考えから導入したのが、「ミスマッチ制度」です。これは、半年に一度の査定時に、「成果」と「価値観」という二つの尺度で全社員を評価し、役員会で二度続けて「ミスマッチ認定」を受けた人には、異動を受け入れてもらうか、退職を選んでもらう、というものです。
? 組織力の低下を防ぐためのミスマッチ制度
「人事はすぐに”人事屋”になってしまう」ということ、つまり官僚化しやすいということです。これは人事のはまりやすい落とし穴の一つかもしれません。 人事に携わっている人は、自分でも気がつかないうちに上から目線になりがちです。たとえば、社員にメールで何かを発信するとき、ついつい高圧的な文章を書いてしまうことがあります。
? 人事は官僚化しやすいという落とし穴。
⑩で言う「俯瞰シート」は私が役員会に提出している資料で、人事に関する情報をA4判一枚の用紙にまとめたものです。半分のスペースには、採用、育成、組織活性化、適材適所といった人事本部の分掌事項、事業部ごとのトピックス、役員合宿での決定事項、ジギョつくやあした会議といった社内イベントが開催された後であれば、それについての振り返り、などが書き込んであります。 もう半分のスペースは人事カレンダーとデータ欄になっています。データ欄には、連結と単体の社員数、事業部ごとの人員数、管理職の人数、子会社社長の人数、社員の年齢分析、平均給与といった数字が網羅されています。 この俯瞰シートは毎週、アップデートします。
? 俯瞰シートの内容を参考にする。
「ネガティブというものは流行るものだから、もしネガティブな人が出たら徹底的に排除する」
? ネガティブは徹底的に排除する。
以上、人事について学びたい、現場からお送りしました。