『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン(著) を読んだので、書籍から得た知見をご紹介します。
仕事柄、スマホ依存症になっている気がしたのと、子供にいつからスマホを与えるべきか知りたかったので、この本を読みました。
以下、印象に残った箇所の引用とメモです。
あなたの休暇の写真に「いいね」がつくのは、実は、誰かが「親指を立てたマーク」を押した瞬間ではないのだ。フェイスブックやインスタグラムは、親指マークやハートマークがつくのを保留することがある。そうやって、私たちの報酬系が最高潮に煽られる瞬間を待つのだ。刺激を少しずつ分散することで、デジタルなごほうびへの期待値を最大限にもできる。
? Meta社は報酬系をコントロールしている。
SNSの開発者は、人間の報酬システムを詳しく研究し、脳が不確かな結果を偏愛していることや、どのくらいの頻度が効果的なのかを、ちゃんとわかっている。時間を問わずスマホを手に取りたくなるような、驚きの瞬間を創造する知識も持っている。「『いいね』が1個ついたかも?見てみよう」と思うのは、「ポーカーをもう1ゲームだけ、次こそは勝てるはず」と同じメカニズムなのだ。
? SNSのいいね1つ付いたかもと、ポーカーもう1ゲームは同じメカニズム。
「ディナーに訪れたゲストには、お菓子の代わりに、iPadを配るんですか?」それに対するジョブズの答えは「iPadはそばに置くことすらしない」、そしてスクリーンタイムを厳しく制限していると話した。
? ジョブズ氏は、子供にスクリーンタイムを厳しく制限していた。
絶対的な影響力を持つIT企業のトップたち。その中でスティーブ・ジョブズが極端な例だったわけではない。ビル・ゲイツは子供が14歳になるまでスマホは持たせなかったと話す。現在、スウェーデンの11歳児の98%が自分のスマホを持っている。ビル・ゲイツの子供たちは、スマホを持たない2%に属していたわけだ。それは確実に、ゲイツ家に金銭的余裕がなかったせいではない。
? ゲイツ氏も。
脳には、膨大な数の手順を同時処理するという信じられないほどすごい能力があるが、知能の処理能力には著しく限定された領域がひとつある。それは集中だ。私たちは一度にひとつのことにしか集中できない。複数の作業を同時にこなしていると思っていても、実際にやっていることは、作業の間を行ったり来たりしているだけなのだ。
? 脳は一度に一つしか集中できない。
ドーパミンという報酬を与えてマルチタスクをさせ、簡単に気が散るようにした。
? マルチタスクは気持ちが良くなる。
一言で言えば、目の前にスマホを置いていると相手と一緒にいるのが少しつまらなくなるのだ。
? 食事の際はスマホを目に置かない。
私自身はこう考える。過剰なスマホの使用は、うつの危険因子のひとつだと。睡眠不足、座りっぱなしのライフスタイル、社会的な孤立、そしてアルコールや薬物の乱用も、やはりうつになる危険性を高める。スマホが及ぼす最大の影響はむしろ「時間を奪うこと」で、うつから身を守るための運動や人づき合い、睡眠を充分に取る時間がなくなることかもしれない。
? スマホの悪影響は鬱から身を守る時間を奪うこと。
他の人が何をしているのか、互いにどんな関係にあるのか。これを知っておくと有利だったため、人間にはそういう情報を得たいという強い欲求がある。高カロリーな食べ物を食べると脳が満足感というごほうびを与えてくれ、エネルギーたっぷりのものを食べることで餓死するのを防いできた。それと同じように、他人の情報を知ったり広めたりするーーーつまり噂話をすると、満足感を感じるように脳のメカニズムが進化してきたのだ。私たちが生き延びるのを助けたのは、食べ物とゴシップだった。
? 噂話をすると脳は満足感を感じる。
ゲーム前に運動をすると、ゲームもうまくなった。こちらも長時間の運動が必要だったわけではない。たったの5分走っただけで、いいプレーができたのだ。現代の子供に足りないのは集中力と気をそらされない能力だが、わずか5分身体を動かすだけでそれが改善されたのだ。
? たった5分の運動でも集中力に効果的。
答えはおそらく、私たちの祖先が身体をよく動かしていたからだ。 (中略) ということは、運動は進化上のライフハックだ。この時代にも可能な限りうまく機能するためには、生物学的な生存メカニズムを活用すればいい。
? 運動という進化上のライフハック。
ほとんど全員が元気になれるようなコツがいくつかある。睡眠を優先し、身体をよく動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分をさらし、スマホの使用を制限すること。個人的には、もっと多くの人が心の不調を予防することが解決策だと思っている。
? 心の不調を予防する方法。
以上、スマホと上手に付き合っていきたい、現場からお送りしました。