『会社はあなたを育ててくれない~「機会」と「時間」をつくり出す働きかたのデザイン』古屋星斗(著)を読んだので、ご紹介します。
Xユーザーのけんすうさんの投稿 を見かけて、自分が考えていたことが言語化されてそうな本だなと思い、気になって読んでみました。
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1冊目はリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの著作で2016年に日本語版が出版された『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)です。様々な唆に富む書籍ですが、このなかでリンダ・グラットンは特に重要な指摘をしています。「3ステージ人生が終わる」ということです。学校、仕事、引退という三つのステージで構成されていたこれまでの人生が変わる、これこそが同書が提唱する「LIFE SHIFT」でした。
もう1冊は、今野晴貴が2012年に出版した『ブラック企業日本を食いつぶす妖怪2」です。「ブラック企業」という言葉が一般化した社会的な経緯と背景は1章で取り上げました。ここで、個人の働きかたのデザインにとって重要な意味を持っていたと私が考えていることも指摘しておきましょう。それは、「我慢せずに即、辞めたほうがいい場合がある」という常識が生まれたことです。
古い安定志向では、「大きくて有名な会社に入ること」が安定の力の源でした。より良い安定を得るために、より大きくてより有名な会社を目指して就職活動をしたのです。
つまり、 「自分自身に経験・知見・スキルを身につけて、この職業社会の荒波を乗り越え、豊かなキャリアを作っていこう」と思う。これが「新しい安定志向」 です。
📝2010年頃の就活時にこれに近い考え方をしていた。
プロテアン、つまり変幻自在であることが、いろいろな役割、いろいろな転機がある人生を乗り越えていくうえで、最も重要であるとホールは指摘します。
自分のキャリアについて大きな方向づけさえできているのであれば、節目節目の間は偶然の出会いや予期せぬ出来事をチャンスとして柔軟に受け止めるために、あえて状況に”流されるまま”でいることも必要と指摘しました。つまり、キャリア形成には二つのフェーズがあるということです。
- キャリア・デザイン:節目でしっかりキャリアデザインを行い、進む道を設定する
- キャリア・ドリフト:計画になかった新しい機会や偶然を楽しむ
いずれにせよ、事前の計画の意味は薄れており、行動自体に時間を割くべきだ、というのがクランボルツの主張です。また、先に紹介したキャリア・アンカー論のアップデートでもあると感じます。こだわっていると大事なチャンスを逃しちゃうかもよ、ということです。転機がたくさんあるのですから、転機の先のことまで緻密にこだわって計画することは困難・無意味でしょうし、ゆるい職場の時代ですから、行動と失敗のための時間はたっぷりとあります。
越境学習とは、自分のホームとアウェイを分ける境界線をまたいで行ったり来たりすることで学ぶことです。本業の職場がホームとするならば、副業先や業務外の読書会などはアウェイです。ホームとアウェイを往復することで、ホームだけでは得られない経験や知見を得て、ホームで得たものに組み合わせていく。経験・知見の掛け算が起これば、まさに、稀少性が高まるという議論とも重なります。
📝アウェイはその時々で変わってきたがこれをやってきた。
初期のキャリア形成において情報と行動の双方が必要だが、特に行動の重要性に注目する必要がありそう
📝 行動の価値。
以上、自分のことは自分でやっていきたい、現場からお送りしました。